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 窪西君,ISM研究会の皆さん,今井です。窪西君,ようやく電話が使えるよ
うになりました。なんとか文明生活に復帰しました。

 随分と遅いレスですが,今回の事故は情報公開という点では極めて重要だっ
たので。

>科技庁は
>メッシュデータを持っているが「まだ整理出来ていないので公表できない」と逃
>げている。

 これが困ったことですね。本当に危険なデータがあるから,公表しないのか
どうか判りませんが。ひょっとすると,大して危険なデータがあるわけでもな
いのに,科学技術庁は,“下手にデータを公開するとバカな大衆が集団ヒステ
リーに陥る”と考えているのかもしれません(なにしろ公開されていない以
上,真偽の程は判りませんが)。もしそうだとすれば,それはその通りなので
すが,じゃんじゃん集団ヒステリーを引き起こして欲しいですね。パニックを
卒業するためにはパニックを経験するしかありません。所沢のホウレンソウ報
道を見るまでもなく,公共的な機関が正確な情報を公開していないということ
は却って人々の不安を煽り,公共的機関が提供するデータの信頼性について不
信感を募らせます。

 よくある情報公開反対論の中に,“大衆は冷静にデータを検討するほど成熟
していない”というのがあります。でも,成熟するためには,データを公開し
てもらうしかありません。学校教育でいくら個人が科学の知識を修得しても
──もちろんこれは解決の絶対的な条件なのですが──,ヒステリーは集団
的・社会的に起こるのだから,所詮集団の中で乗り越えていくしかないように
思われます。

>槌田氏は、co2問題キャンペーンは原発産業の陰謀だと言ったり、

 陰謀かどうかは知りませんが,電力会社はCO2キャンペーンを利用しようと
しているのは間違いありませんね。東京電力のテレビコマーシャルがいい
例。

 槌田さんは,“個人での再生紙の製造は環境破壊をもたらす(毒薬だらだ
ら,劇薬だらだら)”と至極真っ当なことを言ったら,ヒステリックな市民団
体の人たちに袋だたきにあったのを覚えています(因みに,再生紙造りは,た
とえそれ自体は環境破壊であっても,それで環境保護の啓蒙ができるのであれ
ば,別に構わないのではないかと俺は思います。宗教になっては困るので,そ
れが環境破壊に繋がりかねないということも同時に強調する必要があります
が……。その点で,槌田さんとは意見が異なるようです)。無理が通れば道理
が引っ込むのは体制側でも反体制側でも同じですね。