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今井さん、尾崎さん、窪西さん、皆さん、今日は、神山で
す。
>青木雄二の『ナニワ金融道』,ありゃ読んで役に立つよ”
なんて言ってましたが,いやしくもマルクス経済学の教員が
講義をする以上,あんなもんよりは役に立つものができなけ
れば,意味がありません。
私も素材としてはああいうの使いますが、まさにトータルな
理由まで考えなきゃ「役立ち」ません。
>社会的には調整可能なもの(と言うか,そもそも社会的に
しか調整され得ない私的損失)が,しかし個人には外面的
な,個人の手の届かない社会的に調整不可能な──つまりそ
の意味では社会的ではない─災難として,しかしそれでもや
はり否応なしに社会的に,個人の身に降りかかってきます。
要
するに,信用の連鎖は危険の連鎖というわけです。
信用連鎖は不信(物象)の連鎖。諸個人が、社会的な関係を
社会的でないものとして疎外しあっているので、―――責任
を物に託して押しつけあっているので、突然の偶然時として
「調整」が襲ってくるわけです。
私のほうの講義は、原論、経済学、企業形態論、どれも理論
的世間話ですが、毎回資料の印刷が面倒です。教科書だけだ
と飽きちゃうんで、「公共財としての孫正義(いけいけナス
ダック)」「キシリトールガムの成分表示義務(見せろかつ
のぞくな)」「自殺大国(伝統と失業)」「自民党とゼネコ
ン」とか題して、適当な新聞記事を見せたりしてます。こう
いうことしてるのでなかなかすすみません。何をやっても同
じで、結局発生論的把握を背景にしながら、私有財産制度の
私有財産制度における解体という過激かつ穏当な把握になり
ます。経済学が受講生40人で出席とり、原論が150人で
出席とり(しかし重視しないといってある)、企業形態論が
250人で出席とらず、で授業崩壊は免れています。経済学
で出席をとるのは名前をおぼえてやりとりするためです。原
論は事務員が出席カードを配って記録してくれるので頼んで
ます。
こちらのカリキュラムは、1年の必修が原論(近経、マル
経)、2年の選択に近経、マル経という科目があります。同
じ事2回するわけです。研究者のワークシェアリングです。
ではまた。